コラムに「社長、ご存知ですか『まかせきり経理の驚きの実態!』」が登場!
「ウチは経理がしっかりしている(と思っている)うえ、経理内容も他社とは違う(と聞いている)ので安心して任せている。」といわれる社長へのご案内です。
中小企業にみられがちな”まかせきりの経理”の実態がどんなものなのかを実例でご紹介します。
実際は、社長が経理に疎いし面倒なので、”経理社員を信頼して”の美名の元に経理の権限までの一切を丸投げした結果、”ひとり経理”に振り回されて暴走がはじまり、経理不正につながるリスク、そして会社存続の危機に陥りかねない事態も生じかねません。
本稿を読まれると”本当か!?”と驚かれるでしょうが、不満を持つ退職経理の心のウチに入ってみれば多かれ少なかれ似たような気持ちがあるように思われます。
今回は、まかせきり経理の4つの実例をご紹介しましょう。
◆ 社長の車は私が買ってあげた!?
◆ ブックPC内のソフト・データなどすべて削除し、空っぽにして辞めた経理部長
◆ 社長に「根拠なき給料アップを直訴」した経理
◆ 鬱(ウツ)で話もできず、業務処理もメチャクチャだった経理
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社長、ご存知ですか『まかせきり経理の驚きの実態!』(eiwa-gr.jp)
社長が乗っている車は私が買ってあげた!?
ある中小企業の経理のAさんの話です。
たまたま立ち話で営業部長から「社長のサポートもあり、大口の顧客開拓に成功した自慢話」を聞いた経理Aさんは、対抗心から『社長は日ごろ威張っているけど、乗っているレクサスは私が買ってあげた!』『夜の接待といって社長が一人で遊んでいても、黙って払ってあげている!』と驚きの発言をしたそうです。
驚いた営業部長はすぐに社長に『Aさんがこんなことを言っていました。注意した方がいいですよ。』とご注進。
● 社長のとった対応
「Aさんは女性だが、長年ウラオモテなく仕事をしてくれている」と信じて経理を任せていた社長にとっては、営業部長のご注進は”青天の霹れき”で、ショックでその晩は深酒となったとか。
とはいえ、ひとり経理でもあり、信頼して通帳や銀行印が入っている金庫のカギも預けて、給与送金や仕入代金などの支払もすべておまかせだったので、”うかつに注意でもしようものなら、何を暴露されるかわからない!”との不安もあり、これ以上噂を広めなければ大目にみることにしたそうです。
● ひとり経理のその後
社長は穏やかに対応したつもりでしたが、Aさんは事あるごとに営業部長に『自分は社長が頼りだ』『自分は通帳や銀行印まで預かっており、社長は何もできない』『私の機嫌を損ねて困るのは社長だ』と、自分がいかに強い立場なのかを強調し続けていました。
その後しばらくして、①給与の勤怠データを誤り、多数の残業手当を大間違い、②仕入がなかった取引先に前月と同額を支払う、③逆に、請求書がきた取引先には一桁少なく送金などが立て続けに発生。さらに売掛金の入金消込処理を怠り、報告をしなかったため、社長は月末に売掛金の多額入金を見込んでおり、資金ショートになっててんてこ舞いの状況に。
さすがの社長も堪忍袋の緒が切れて強く指摘したところ「私がいなければ、困るのは社長ですよ」と反発。それ以来、社長と経理の席は数mしか離れていないのに会話は途絶え、社長は他の社員を通じて経理に必要最小限の指示をする状況になってしまいました。
● 考えられる対応
いまとなっては簡単な解決策などありませんが、外部のアウトソーシングの活用なら検討余地がありそうです。
・ どう対応するか?
幸い、会社は順調に売上を伸ばしているので、身勝手な経理といっても退職させるのはひと苦労です。そこで、営業部門のサポートに移ってもらい、活躍の場を与えます。
他方、経理業務はプロの代行会社に任せてしまうのです。
・ 経理業務の引き継ぎはどうする?
万一、経理がへそを曲げて担当業務を引き継がなくても何とかできます。
会計システム内に保存されている過去の総勘定元帳や仕訳日記帳、税理士から納品された決算報告書、消費税や法人税等申告書などに、直近の請求書や領収書などがあれば、TOKYO経理サポートなら内容を分析して対応しています。
また、待ったなしの「給与計算や支払業務」も過去の資料で、内容を解析のうえ対応いたします。
・ 放置していれば、経理不正のリスクまで
いまのまま放置していては、社内の雰囲気も悪くなるばかり。いつ何をされるかわからず、経理不正などで資金ショートにでもなったら倒産リスクまで生じかねません。現状維持でいくにしても、いつかAさんにも定年退職の時期がやってきます。そのとき新たな経理にどう引継ぐか、お考え下さい。答えは見えています。
実はこの話、英和グループのお客さまの社長から伺った同業社長の話です。
辞めるとき、経理のブックPCをごみ箱に捨てていった経理部長
こちらも、社長との会話が2年ほどなくなっていた経理部長Bさん(退任時40代、女性)の話です。
数店舗を展開する飲食業に経理として入社後、まじめにやってくれるということで社長からの信頼も厚く、ついに取締役経理部長に登用され、銀行決済を含め経理・総務全般を任されました。この時点では、店舗数は20以上に拡大し、B経理部長は新店の出店資金や運転資金の調達も抜かりなく行い、信頼関係はピークに。
● B経理部長の驚きのヘンシン!
社長にはそれまでは報告があり不安は感じなかったようですが、取締役就任後は部下(派遣社員含め)を4名以上抱え、多忙を理由に報告が途絶えがちになりました。
・ 経理のひんぱんな退職と処理ミスの横行
部下へのきつい口調での指摘やミスへの厳しい対応が続くなどで、募集しても”慣れてきた頃にはまた退職~募集・教育、その後まもなく退職~の繰り返し”で、会社のコスト負担もばかになりませんでした。
そんな中で、支払いや給与計算などで処理ミスも多発し、月次決算も遅れに遅れる状況に。
社長が気付いてB経理部長を強く注意・指導しても、逆に”人手が足りないから仕方ない”と強く出られる始末でした。
・ 私のおかげで会社が運営できている!
その強気は、銀行の通帳や小切手帳、銀行印、ネットバンキングのパスワードなど、重要なものすべてをB経理部長に預けてあったことが原因でした。社長が返却するように指示しても反発するばかり。
本人いわく「会社のことは自分しかわからない。私がいるから資金繰りも問題ない、そうでなければ会社は運営できない。」と言葉が返ってきたそうです。なんと社長とB経理部長の立場は逆転していたのです。
● 社長のとった対応
1年半ほどこうした状況が続いたため、まず株主総会で取締役を退任させました。それでも態度が改まらず”退職について話合い”をし、最終的に、退職金の大幅上乗せを条件として、何とか納得することに。さらに、(期待していなかったものの)業務の適切な引き継ぎと月次決算の遅れの解消も条件ににして解決を図ったとのことでした。
実はこの間、社長からTOKYO経理サポートに相談があり、弊社はB経理部長の不在時に会社を訪問して、業務の引継ぎに必要な資料などを確認・分析した結果、会計業務、給与計算、支払業務で多くのムダ(事実上の業務のダブりを含む)や不要な処理を人数をかけて行っていた事実を見つけていました。もちろん、社長には「弊社からB経理部長の退職までに引継ぎの準備ができる」旨を伝えて安心してもらったうえで行われたのが、B経理部長との話合いだったというわけです。
● B経理部長の驚きのヘンシンの続き
ところが、B経理部長は自分だけかなり前から自宅でリモートワークにして、出社は週に2~3日。引継ぎすると言いながら、溜まっていた有給休暇の消化を優先し、円満な引き継ぎなどとても困難な状況でした。
夢にも退職に追い込まれるとは思ってもいなかったB経理部長は、表面上は退職に同意していたものの、最終的に弊社が前面に出て業務の引継ぎをせざるを得なくなった時点で次のような対応に出てきました。
★ 銀行預金通帳、小切手帳、銀行印:
退職ギリギリまで社長に引き渡さず、状況が把握できない状況に
★ ネットバンキング関連:
給与の送金や支払、電子納税などに必要なネットバンキングの権限設定を銀行に依頼せずに退職。
結果、引継ぎ直後は手書きで振込依頼書を作成する羽目に。
★ 各種業務の引継ぎ:
給与計算や支払業務では大まかなルールなどの説明はあっても、あとは就業規則を読めとか、前月の支払を見ればできるとの対応で、事実上、引継ぎはないも同然に。
★ ブックPCはゴミ箱に:
会計処理業務などのデータ確認に必要なので、B経理部長にブックPCを見せてほしいと依頼していたが、退職日にブックPCをゴミ箱に捨ててご帰宅!
退職後にわかった話ですが、退職金は退職の翌月末支給がルールでしたが、B経理部長は自ら退職前に自分の預金口座に上乗せ分を含めた退職金を送金していました。
とはいえ、経理代行を依頼していたおかげで、B経理部長の非協力も何のその。経理業務の引継ぎは無事に完了して「ムダや不要な処理もカットできた」ため、3人程度の人手の削減につながる成果が得られました。
社長に「根拠なき給料アップを直訴」した経理
製造業(社員50名)の会社で、経理担当取締役(前社長夫人で70歳代半ば)が在任中におきた経理社員Cさんの話です。
● 経理担当者の不満
・経理担当取締役(前社長夫人)の状況
前社長夫人は取締役の肩書は名ばかりで、永年手書き経理に慣れたアナログ世代。パソコンやキーボードには拒絶反応が先に立ち、メールはおろか、社員の勤怠時間をエクセルフォーマットに入力するのもダメ。フォームに手書きし、ファックスするレベルでした。勤怠時間の集計ひとつとっても毎月間違いがあるといった状況。
そこで社長(前社長夫人の長男)は、別に経理社員を雇用して実務を任せて、前社長夫人には給与送金や仕入代金、納税などの支払内容の確認だけする役割として、最終決済は社長が行うフローとしました。
参考までに、中小企業では「表向きは親族が責任者の形をとって役員報酬を支給し、実務は経理社員が処理」する。
つまり、会社を通じて親族に給与を分散する方法をとられるケースも珍しくありません。
・経理社員Cさんの不満
前社長夫人は、会社には気の向いた時に月4~5日だけ来て、仕事といっても「経理社員が作成した送金や支払の資料の確認」だけ。Cさんからみれば、わずかな仕事なのに高額な役員報酬を得ているようで、ホンネでは不愉快に感じていました。
Cさんは、そんな前社長夫人の仕事ぶりにストレスは高まる一方で、実際には前社長夫人がいなくても経理業務は自分が回しており、直接社長に決済してもらえば業務効率も上がると考えていました。
・社長への直訴
そんなある日。前社長夫人は”ある月の給与支給・控除一覧表”をコピーしたあと、原紙をそのままにして帰宅の途へ。
一覧表の原紙を見つけたCさんは、社長の給与も、前社長夫人の給与も予想外に高額だったこと、入社時期の近い営業マンのDさんより給与が低かったことで、社長に「自分の給料は低過ぎるから、もっと上げてほしい。経理全般を任されているし、Dさんよりはるかに会社に貢献している。」と訴えてきました。
● 社長のとった対応
・経理Cさんには適正給与と説明したものの…
Cさんの給与は世間並みで低賃金とは思ってもみなかった社長は「本人に、年齢や勤続年数、業務遂行能力に応じて世間相場よりも若干上乗せしている。」ことを伝えたものの、Cさんからは給与一覧表を見せられ、他の社員との給与格差や前社長夫人の役員報酬から見て、自分の給料が低いことを強硬に主張されてしまう結果になってしまったとか。
・経理にはすべてを任せていた弱みが
これも同族の前社長夫人が”コピー機に機密書類を放置して帰宅”といった行為が招いたこと。そのうえ社長は、経理のCさんに銀行の通帳、銀行印、ネットバンキングのID・パスワードなどの管理を任せていました。
結局、社長は”毎月の給料の二桁アップ”を提示せざるを得なくなり、その結果、経理も納得して事態は収拾されました。
● 後日談
・経理担当取締役(前社長夫人)はどうなった?
このままではまずいと感じた社長は、その後まもなく迎えた定時株主総会で前社長夫人には退任してもらい、高額な退職慰労金が支給することとなりました。
それでもご本人は、今後は会社に行けず気分転換できなくなると、不満たらたらだったとか。
(病院の待合室代わりだったのでしょうか?)
・経理Cさんの処遇
これからも経理のCさんに振り回されかねないと考えた社長は、社員には給与も知られたくないので、TOKYO経理サポートにまず「給与計算と支払業務の代行」の相談をされ、その後それらが軌道に乗った時点で「会計処理(月次決算)業務」も委託される方向に。
社長は経理Cさんには「取引先からの受注対応や営業補助」についてもらうお考えとのことでした。
経理業務を任されていても、業務内容や責任に応じた給与アップの交渉はありましょうが、会社が困ることをネタにしての給与アップ勝ち取りはいかがなものでしょうか。
ノイローゼで話もできず、業務処理もメチャクチャだった経理
最近よく耳にする精神疾患にかかった経理のEさん(40歳代)への対応でお困りのサービス業の会社の話です。
● 経理の状況
入社後はタイムリーに業務をこなしている印象のEさん。3年目に入った頃から月次決算が遅れはじめ、支払業務も間違いがちで、その頃に社長や他の役員がEさんと話をしても、意味不明な言動で理解に苦しむ状態だったそうです。
Eさんは精神的に不安定な状況のようで、経理の部屋に閉じこもって誰も寄せ付けない雰囲気で仕事?をしていたとか。
またこのところ休みがちで、たまの出社時に遅れている月次決算などの状況を尋ねてパワハラにとられても困るため、頭痛のタネに。
ちなみに月次決算は4ヵ月遅れの状況で、会社としては「このままでは、来年3月決算はとてもやりきれない」のではないかと不安を感じているもようです。
● 社長のとった対応
本人が出社していればうかつに部屋に入れず、業務の状況確認も難しく、不在時に役員が経理の部屋に入ったもののどこに何がファイルされているかもまったくわからず、IDやパスワードが不明で経理業務用パソコンも開けない状況だったそうです。
・TOKYO経理サポートへの相談
そこで社長は、TOKYO経理サポートに「経理担当者の精神的な状況からまともな業務の引継ぎができそうもないが、それでも何とかならないか。」と相談されました。
・TOKYO経理サポートの具体的な対応
業務に優先順位付けして、①社員や取引先との信用に関わる給与計算と各種支払いを最優先に、②得意先からの売掛金の入金消込み、最後に③相談時点で5ヵ月遅れとなっていた月次決算への対応とする提案をしました。
そのうえで、経理が休みの日に部屋に入って、弊社が給与関連資料や請求書など必要資料をチェックして、業務ボリュームや難易度をある程度確認した結果、引継ぎ可能の判断となり、具体的に見積書を提示のうえ、発注となりました。
・経理担当者との話し合い
Eさんはメンタルヘルス関連クリニックで受診していたようですが、その症状は聞けないないままでした。ところが、突然本人からひと月後に退職したいとの申し出があり、最終的に、自己都合を明らかにする意味で退職願を提出してもらい、退職の翌月に退職金を支給することでトラブルなく話がまとまりました。
● 精神的に病んだ社員への対応は慎重に
ノイローゼは単なる病気の一種、気の病(やまい)と考えてはいけません。
精神的に病んだ原因が会社の労働環境、同僚との人間関係、パワハラ・セクハラなどのハラスメントなどとの申し出でもあれば、それこそ大問題になりかねません。
これら事例からの学び
これら事例から「まかせきり経理」で起こりがちな状況を理解いただき、自社に当てはめてみましょう。また、税制改正や各種法改正の影響で複雑化する一方の経理処理をプロでない経理社員が対応するにはそろそろ限界がきており、経営にも影響が出かねない状況です。
TOKYO経理サポートでは、経理に詳しくなくても社長からも「経理の現状への悩みやお困り、どうされたいか、会社を将来どうみちびきたいのかなど」を拝聴したうえで、納得のいく提案をさせていただいています。
ご相談はお気軽に!