記帳代行は、どこまで頼める?~記帳代行関連サービスのまとめ~
インボイス制度の開始と電子取引データの電子帳簿保存法対応の義務化などで、経理代行会社の”記帳代行サービスの内容”もさまざまなオプション・サービスが増えています。
記帳代行(会計処理)と一緒に、ほかにどのようなことが依頼できるのでしょうか?
基本的な記帳代行サービスの内容
記帳代行業務の流れ
記帳代行業務の流れは、一般的にはどの代行会社の例でも次のようになります。
1.書類やデータの提供:お客様が対応
通帳やカードの利用明細、領収書や請求書など記帳に必要な書類やデータなど、あらかじめ提供を要請された書類やデータを、毎月一定の期限までに経理代行会社に提出します。
2.会計システムへの入力:経理代行会社が対応
お客さまから受領した書類やデータの内容を確認したうえで、会計システムに消費税の区分処理をを含めて、仕訳入力処理を行います。これにより、日々の取引が正確に適法な形で記録され、月次決算の結果がまとまります。
3.月次の成果物の納品:経理代行会社が対応
毎月の月次処理が完了すると、月次決算書などを納品します。
TOKYO経理サポートでは、通常5営業日以内に成果物として、●月次決算書(B/S、P/L、C/S)、●総合推移貸借対照表、●総合推移損益計算書(製造業では製造原価報告書を含む)、●変動損益計算書などを納品しています。
4.事業年度終了後の成果物の納品:経理代行会社が対応
毎月の会計システムへの入力処理をつうじて、事業年度終了後には次のような帳簿書類が作成され、成果物として、総勘定元帳をはじめとする各種帳簿書類が納品されます
経理代行会社によってココが違う!
記帳代行サービスと銘打っても、経理代行会社によって”サービス内容や信頼性には大きな違い”があります。
◆ 必要書類やデータの提供方法
「通帳やカードの利用明細、領収書や請求書など記帳に必要な書類やデータなどを発送」して提供するのが一般的です。
代行会社によっては、共有フォルダなどで請求書や領収書のPDFデータを提供できるところもあります。
◆ 取り扱う会計システムや入力処理方法
パソコン会計ソフトから本格的な会計システムに幅広く対応できる代行会社から、本格的な会計システムに絞ってプロ専用システムを活用する会社まであります。
● 幅広く対応できる代行会社とプロ専用システム活用会社との違い
いま社内で利用中の会計ソフトで対応できると聞くと、一見良さそうに感じがちですが、プロの業務処理向けでないことが多く、また、代行会社にとってあまり得手でない会計ソフトだとトラブルが発生するリスクが懸念されます。
一方、プロ専用の会計システムに集中して消費税や会計処理登録する代行会社は、業務習熟度が高く、業務効率も高く、結果として信頼性も上がる傾向があります。
また、「顧問税理士が利用する会計システムを利用して記帳処理をしてほしい」との話もよく伺いますが、今どきですので、TOKYO経理サポートであれば、月次決算や年次決算結果などをデータで提供できますので、顧問税理士はそのデータを利用中のシステムに取り込むだけでよいので、まったく問題はありません。時々、税理士さんがその対応ができないのでお困りの経営者の方もお出でになります。
● 入力処理方法の違い
入力処理は、”手入力中心”の会社もあれば、”預金取引などを自動連携して省力化”している会社もあります。
また、社内で行ってきた従来の仕訳処理をそのまま踏襲する会社もあれば、TOKYO経理サポートのように仕訳内容を適切に見直して合理的に省力化するなど工夫する会社もあります。
◆ 業務品質
入力処理担当者のレベルや成果物のチェック体制などは代行会社によってさまざまです。税務(消費税や法人税など)と密接にかかわる業務なので、税理士法人などのバックアップがあれば安心感は持てそうです。
記帳代行業務の品質は、会計や税務知識に関わりなく、単純に手作業での入力か、処理業務の効率アップだけを狙いとした業務手順か、摘要欄への入力も適切になされているか、無駄な仕訳を起こしていないかなどにより大きく異なり、代行会社への聞き取りの段階で把握しておくことがポイントになります。
◆ 代行コスト
事前のヒアリング段階で、お客さまから仕訳数を伺ったり、仕訳日記帳を確認して仕訳数を見積もる会社では、基本料に件あたりの仕訳処理単価をプラスする代行会社が多く、少数派としては、作業時間を元に代行料を大ざっぱに見積もる会社もあり、確認が必要です。
◆ 成果物の納期
月次決算書などの成果物の納期については、「必要資料受領後5営業日や10営業日以内など」と明確にしている代行会社から、納期があいまいな代行会社まであります。
TOKYO経理サポートでは、記帳代行受託時に「年間業務スケジュール」を年間カレンダーの形でお客さまと弊社それぞれの対応日程を織り込んだ資料をご提供し、毎月の実際の納期は「必要資料受領後5営業日以内の納品」が原則です。
自社での記帳処理と代行会社との違い
社内で記帳処理するケースとと代行会社に依頼する場合との違いは、次のような点にあります。
◆ 手書きの伝票の作成は不要に!
顧問税理士の指導などで「手書きで仕訳伝票を作成してから会計ソフトに入力する」やり方をとられている会社をまだまだお見受けします。基本に忠実とはいえるかもしれませんが、伝票作成に時間をとられたうえ、その伝票自体が意味を持たない時代になっており、実際には必要ありません。実際、会計ソフトへの入力後には必要に応じて”仕訳伝票”が自動作成できたり、また、仕訳内容は仕訳日記帳で確認できるため、伝票の必要性はなくなっています。
記帳代行サービスを依頼されると、請求書や領収書などから直接入力処理を行うため、社内で仕訳伝票を作成する手間や時間はカットできるわけです。
◆ 請求書などの書類整理も不要に!
”書類ファイリングサービス”の利用で、領収書や請求書などののり貼りや書類の穴あけなどのファイリング作業も自社でやらずに済みます。
記帳代行サービスをフルに活用されると、自社で行う処理は”必要な書類やデータの発送だけ”となり、浮いた時間を本業に集中させて、有効に活用いただけます。
◆ 税理士によるチェックまで不要に!
毎月、「経理社員の入力結果を顧問税理士(担当者)が来社してチェックする」フローとなっている会社も多いことでしょう。場合によっては、来社せずに、ネット上のクラウド会計ソフト上でチェックするところもあるようです。
こうしたケースでは、税理士から仕訳の修正指示や確認依頼があれば、その対応で時間をとられることに。
記帳代行サービスの活用で、こうした業務は不要になります。税理士は、代行会社から納品された月次決算書や年次決算書などをもとに経営者の方々と打ち合わせをするだけで済み、社長・経理も、税理士も大幅に時間をカットできます。
ちなみに、税理士から「記帳内容を確認したいとの要望がある場合」でも、記帳代行会社から税理士宛に会計データを提供すればよいので、社内で手間や時間をとられることはありません。
記帳代行関連のオプション・サ-ビスの例
記帳代行サービスのオプションには、企業のニーズに応じて様々な追加サービスがあります。
経理代行会社での各種代行サービスに加えて、グループの税理士法人やコンサルティング会社などと共に「業績の改善や事業承継などを含むトータルでのサポートサービスを提供する会社」もあります。
以下では、記帳代行サービスに付随するオプションの例をご紹介します。
決算~税務申告~申告・納税まで
記帳代行とセットで、決算業務と税務申告も依頼できるサービスです。
お客様サイドでの関連業務は、預金や借入金の残高証明書の入手や実地棚卸データのとりまとめなどに限られ、その他の業務はすべて依頼できます。
◆ 決算報告書や科目内訳書の作成
棚卸資産の実地棚卸データや特別償却・売掛金の貸倒処理などの決算整理仕訳を入力して決算報告書の作成や法人税申告書に添付する勘定科目の内訳書の作成などを代行します。
◆ 法人税・消費税の申告書などの作成
提携税理士(税理士法人)が次のような申告書などを作成します。
● 法人税及び地方法人税申告書
● 法人事業概況説明書
● 法人事業税・法人都道府県民税申告書
● 法人市民税申告書
● 消費税及び地方消費税申告書
また、記帳(会計処理)の内容は記帳代行会社が対応しますので、お客様が対応される必要はありません。
万一、提携税理士がいないのに経理代行会社が申告を請け負う話があれば、違法業者ですのでご注意ください!
◆ 税務署などへの提出と納税対応
● 税務署などへの各種申告書の提出
顧問税理士から前述のいろいろな種類の申告書類の引き渡しを受けてから、期限までに税務署などに提出するのも結構面倒で、手間もかかるものです。
そこで直接税務署などへの持参や郵送に代えて、税理士法人などに依頼することで、お客さまに代わって電子申告で「各種申告書の提出」を済ませることができ、手間いらずとなります。
● 納税対応
顧問税理士から税金の納付書を渡され、銀行で納付する会社もまだまだ多いようです。
そうした会社では、ダイレクト納付(口座振替)の仕組みを活用して、法人税、消費税、法人事業税・住民税の納税対応まで依頼できます。
経費精算の代行
小口現金での経費の精算業務は、経費を申請する社員や役員にとっても、精算処理する経理社員にとっても面倒で時間がかかるばかりです。また、月末に現金残高が合わなかったり、領収書などの整理など経理業務が増える要因に。
こうした面倒や経理が現金に触れる機会をなくし、本来の業務に専念していただくため、下記業務も依頼できます。
◆ 経費申請の受付・処理
小口現金での精算を止めて、月単位などで、社員などから経費精算報告書をまとめて受け付けて内容を確認したあとの精算金額の支払や会計処理などの作業を代行します。
もちろん、社内では経費管理のために精算内容の確認は必要ですが、その後の業務は代行会社におまかせでOKに。
◆ 領収書整理とファイリング
経費精算の際の領収書などの整理とファイルへの保管業務を行います。
手作業での経費精算代行と別に、クラウドタイプの経費精算システム導入をサポートする会社もあります。
コンサルティング・サービス
毎月繰り返される記帳などの業務だけでなく、せっかくタイムリーに納品される成果物を経営や業績の改善に活かすためなどのサービスも依頼できます。
● 財務分析レポートの作成
記帳代行の成果物の財務諸表を分析したレポートで「自社の稼ぐ力」など、強みや弱みを把握し経営に活かしたり、資金繰り予測レポートをまとめて提供するサービス
● 事業計画書作成サポート
金融機関や補助金などの申請のために必要となる事業計画書の作成をサポートするサービス
● 決算対策コンサルティング
納税による資金流出を抑えながら、合法的な決算対策により、会社の財務体質を強くして、目に見えない含み資産などを確保する利益繰延対策コンサルティング
● 業績改善コンサルティング
財務面からの業績立て直しを行うコンサルティング
● 財務改善コンサルティング
資金繰り悪化時の立て直しのためのコンサルティング
電子帳簿保存法対応サービス
今年1月からスタートした電子帳簿保存法にもとづく”電子取引データの電子保存”を代行するサービスです。
会社に代って、保存すべき電子取引データを集めて、指定のシステムに保存し、日付、金額、取引先名も登録するサービスです。これで電子帳簿保存法もクリアできることに。
インボイスのチェック代行
取引先からの請求書が「適正なインボイス(適格請求書発行事業者番号、税率ごとの金額、税率ごとの消費税など記載がされた請求書や領収書)」か否かの確認、そしてその保存義務は受け取った会社側にあります。
将来、税務調査などで、インボイスについて不備を指摘されればその内容次第で消費税申告内容の修正リスクが生じかねません。
請求書に記載されたインボイス番号が国税庁の登録データと一致しているかを「受領インボイスをチェック」して、記帳代行と併せて代行サービスです。受領インボイスが国税庁に登録されていない番号であれば、その旨をお客さまに報告もすることに。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
記帳代行は会計ソフトへの入力処理作業のみと思われている経営者も多いかもしれませんが、実際の業務は幅広く、また、関連業務に対応している経理代行会社もあるわけです。ご案内したサービスはあくまでも一部の事例ですので、経理代行会社には複数社に話をよく聞いたうえで、自社が必要とする品質と価格のサービスの有無を確認して、検討されるとよいでしょう。
TOKYO経理サポートは、中小企業とそのオーナーのサポートに強みを持つ「英和コンサルティング」「英和税理士法人」と連携して運営しており、高品質な経理業務をリーズナブルな価格で提供しています。
記帳業務だけでなく関連業務もまとめてお引き受けしていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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