経理業務が回らなくなった時の「3つの選択肢」とそのメリット・デメリット
「売上の急成長で経理の業務量が増えた、社員の退職で人手不足になった」などで経理業務が回らなくなった場合、次の3つの選択肢が考えられます。
◆ 経理部門の強化
◆ 外部人材の活用
◆ 経理のアウトソ-シング
この3つの選択肢について、その内容、メリットやデメリットについて考えてみましょう。
経理部門の強化: 社内でできる対策
社内処理にこだわりを持つ中小企業向きの対応策で、経理部門の処理能力を引き上げるために、次のような方法をとります。
・経理部門の人員を増やす
・業務フローの見直しによる業務の効率化
・研修等により、経理社員をレベルアップ
経理部門の人員を増やす
「業務量が増えた、スタッフが退職した」などで経理が回らなくなり、人の補充を考える社長も多いことでしょう。
”経理経験者”を募集しても、どんな会社でどういった経理業務の経験があるかは人それぞれで、知識レベルもバラバラなので、自社にマッチする経理社員を見つけるのは簡単ではありません。
「業務内容を説明して、本人が”大丈夫だ”と言うので採用したところ、『思ったより難しい』と3ヵ月で辞めてしまった」話も耳にします。中小企業の経理は、記帳から給与計算、支払、総務、請求事務など幅広い業務を担当するケースが多いので、業務ごとのスキルを確認しておかれるよう、お勧めします。
また、「経理で採用されたのに、総務や受付もやらされた」とか「請求書の発行は聞いていなかった」ので、退職してしまうケースもあります。一言で”経理担当”といっても、会社によって業務範囲が異なる点にも注意が必要です。
業務フローの見直しによる業務の効率化
人材募集・採用の前に、現在の人員で経理が回らないのか、また業務フローを見直したり、業務の効率化の余地を検討されることも必要な対策といえます。
「手作業によるミスや洩れはないか?、重複作業はないか?」などをチェックして改めて作業リスト(業務フロー)を作り直してみたり、システム利用で自動化できる業務を増やすなどで、現有戦力で経理を回す余地があるかもしれません。
経理でのシステム導入すると、つぎのような効果が得られます。
● 大変だった勤怠集計 適切な管理と事務負担の軽減
勤怠システムを導入すれば、残業時間集計や有給管理簿の管理が自動化され、給与計算の事務負担が大幅軽減できます。
「うちの会社では、複雑な社内ルール通りに設定できない」と勤怠システム導入をあきらめず、労働時間に対する見方も厳しさを増すこの機会に”社内ルールを見直す”勇気と発想の転換で乗り切ってはいかが。
● 売上データ確定に時間がかかる 請求書発行が手軽に正確に
営業担当者が多い、複数部署にまたがって調整が大変など、毎月の売上データ確定に時間がかかる会社では、関係者が直接入力できる販売管理システム(グループウェア)の導入が有効です。
また、請求書の発行枚数が多く、月初に業務が集中する会社では、メール発行できるシステムを導入して、郵送事務をカットしたというケースもあります。今年10月からの郵便料金3割値上げでは有効ですね。
● 記帳処理に時間がかかる NBなどとの連携でスピーディな処理が
記帳(会計処理)業務は会計ソフトに預貯金の動き、売上や仕入などを手入力して、月次の業績をまとめる作業です。
月次決算をスピーディに正確に仕上げるために、ネットバンキングのデータ(銀行預金の入出金取引)や販売管理システムデータなどを”会計ソフトに連携させる仕組み”を活用することで、仕訳処理の時間や手入力によるミスをカットできます。
研修等により、経理社員をレベルアップ!
経理業務は会計、税法、社会保険など幅広い知識が必要とされる難易度の高い業務です。複数の社員で記帳業務をはじめ給与計算、支払などを役割分担している場合は、担当外業務もできるよう研修しておけば一時的な人手不足がカバーでき、経理の能力向上にもつながります。定期的な担当替えで、社員の対応業務を広げるなどもひとつかもしれません。
税務、給与計算関連(特に年末調整)では毎年のように改正が繰り返されています。
昨年はインボイス制度のスタート、今年1月からは電子帳簿保存法改正、6月からは定額減税などで、ここ一年で経理の業務量は急激に増え、処理の難易度も上がっています。
このため、各制度の基本と改正内容を理解して対応できるように研修の実施(参加)は必須です。
次のように、処理業務の実務につながる知識習得がポイントです。
● インボイス制度:
受け取った請求書等がインボイス(適格請求書)かどうか判断でき、免税事業者などの請求書なら課税仕入として8割控除対象の仕訳処理できるなど
● 電子帳簿保存法:
どのようなデータが”保存を義務化された電子取引データ”か判断でき、社内手順に従って適切に保存できるなど
こうしたひとつひとつの仕組みへの理解度が、業務処理スピードアップとミス防止につながるわけです。
外部人材の活用
急激な業務量の増加や人手不足のカバーには、臨時的な人材採用も考えられます。
具体的には、派遣社員やフリーランスの活用を検討することになります。
● 派遣社員の活用
人材派遣会社に必要なスキルを指定して人材の派遣を依頼でき、会社の要望にマッチする人材がいればすぐに派遣してもらえます。
中小企業での問題は、派遣社員は”派遣先の会社に管理監督者がいる前提”で派遣されるため、ひとり経理の会社では使い方が難しい点です。業務の指示や管理は会社の責任で、派遣社員はその指示に従って業務処理を行うだけで、通常、責任をとることはありません(経理責任者の派遣を希望する場合は、管理職派遣というサービスもあるようです)。
また、派遣契約の上限は3年、長期スパンでの対策というよりも一時的な戦力確保といえそうです。
● フリーランスの活用
個人でフリーで活動する経理専門家をみつけて、経理業務の処理を委託する選択肢も考えられます。
会社が求めるスキルの有無、業務処理のスケジュールなどの見極めは簡単ではありませんが、相手次第で長期的な契約の余地もあります。
ただし、社員の雇用と同様に”人”との契約なので、病気などで突然休んでしまうリスクは残ります。
経理のアウトソ-シング
経理のアウトソーシングは、経理業務の一部やすべてを外部の経理代行会社に委託する方法です。
次のような業務では委託する余地があります。ただ売掛金管理業務以下は一部の代行会社が対応しているようです。
★ 記帳業務(会計処理から月次決算)
★ 給与計算業務(賞与計算含む)
★ 年末調整業務
★ 売掛金や買掛金の管理業務(売掛金などの消込)
★ 支払(納税)業務
★ 請求業務
★ 源泉徴収の必要が外部への委託費の対応業務
● 経理代行会社のベンリな活用方法
「経理業務を丸ごとアウトソーシングして経理部門ごと外出ししてしまう」思い切った活用方法から、給与計算や記帳業務など一部の業務を切り出して社内での業務量を減らし、現有戦力で経理を回せるようにする方法もあります。
● 経理業務コストの変動費化
社員や派遣社員だと業務量に関わらず、1人、2人と人数に応じた固定的な人件費が発生します。一方、経理代行を活用すれば、業務範囲や業務量に応じた代行料しか必要なく、つまり、経理コストの変動費化が実現できるわけです。
● 派遣社員と経理代行との目立つ違い
派遣会社は時間単位で人手を提供【=人手の派遣】するのに対し、経理代行会社は請け負う業務内容に責任をもち納品【=受託業務の成果物の納品】しますので、自社で委託業務内容をチェックしたり、(派遣社員の)勤務時間などを管理する必要がなく、負担感がありません。
3つの対策の選択肢のメリットとデメリット
上述のように、いろいろな理由で経理が回らなくなった時の3つの選択肢:◆経理部門の強化◆ 外部人材の活用◆ 経理のアウトソ-シングをご案内しましたが、そのメリットやデメリットにも目を向けてみましょう。
”経理部門の強化”は負担が大きい、でもノウハウも蓄積
”経理部門の強化”は自社対応が必要で、業務フローの改善や研修などでは社内での時間的・コスト的負担が発生します。
業務改善コンサルティングの利用余地もあるでしょうが、あくまでも改善の主役は会社であることに代わりありません。ある程度会社に余力がないと、経理部門の強化を進めるのは難しいかもしれません。
とはいえ、自前で経理部門を持ち続ければ、経理業務のノウハウが社内蓄積できます。しかし、フリーランスや経理代行会社への委託ではそうはいかなくなります。
緊急時の対応なら外部人材の活用!?
緊急での人手不足対応なら、自社が希望するスキルのある方さえ見つけられれば、派遣会社を通じた派遣社員の採用が向いていそうです。
経理社員の採用ではお困りの会社も多く、雇用までには時間もかかります。また経理代行会社の選定であっても、何社か比較してからふさわしいところに決めたいとなれば、来週からすぐに委託というわけにもいきません。
業務ごと減らす(任せる)なら経理代行の活用が!
社員や派遣社員を採用するにしても、業務フローの見直しで対応するにしても、社内の経理業務はなくなりません。
もちろん業務の自動化(ロボット化)で人間の行う業務をなくす、業務量を削減する、システム導入で勤怠集計業務自体をなくすなど、業務量の削減効果を得られる余地はあります。
一方、経理代行会社の活用では「記帳をはじめ、給与計算などの経理業務を丸ごと任せる」ことになります。
業務自体が社内からなくなるうえ、スケジュール管理も代行会社で行ってくれ、社内に残る業務は『承認する作業』と『成果物の納品後の作業』だけとお手軽に。
つまり、社内では外出しした業務に社内の貴重な人材やエネルギーを割く必要がなくなり、収益源となる業務に人材を集中させて、会社の飛躍につなげられる余地を創れるのが大きなメリットとなります。
経理代行なら、社員の退職リスクからも解放!
経理の内製化では社内人材が前提となるため、社員の退職や病気欠勤のリスクは避けられず、また、派遣社員では最長で3年間という期間制限リスクがあります。フリ-ランスへの委託でも、個人である以上はやめてしまうリスクが残されます。
一方で、経理代行会社なら契約に基づくサービス提供となり、業務担当者が辞めようが、業務品質は変わりなく、約定の納期までに業務は納品されます。
TOKYO経理サポートの経理代行サービスの活用事例
TOKYO経理サポートへの相談のきっかけのトップは”経理社員が退職したから”です。
”経理業務を丸ごとおまかせ”いただく会社から、社内で手が回らない業務だけSmart経理行をご活用される会社まで、さまざまです。
では、次に弊社にご依頼いただいた事例をご紹介しましょう。
2人いた経理社員のうち、一人が辞めてしまったケース
グループ会社2社の経理を2人の社員で回していた会社から、経験年数の長い経理社員が退職することになり、ご相談いただきました。
残る経理は記帳業務以外の業務経験がなかったことと、社長は若手社員であり、給与などを知りえる立場にしたくない意向があり、若手の経理が担当できる業務を残して、支払から納税、給与計算・年末調整などを代行することになりました。
社内には総務事務だけ残し、経理は外出しのケース
経理社員がなかなか採用できず、「経理代行で経理業務を回せるようにしたい」とのご相談でした。
給与計算や支払業務、記帳業務はTOKYO経理サポートのSmart経理代行で対応して、経理社員が兼務していた総務やデータ整理事務は”総務事務のパート”に切り替えて採用されました。
電子帳簿保存法対応でお困りの会社のケース
どんなシステムで電子帳簿保存法に対応すればよいのか、実際にはどのように保存すればよいのかなどが決められずに、「電子取引データ保存」への対応ができていなかった会社の社長からのご相談でした。
TOKYO経理サポートから電子取引データ保存に必要なシステムを提案した結果、弊社で『記帳業務から資料のファイリング、さらには電子取引データ保存』まで代行することになりました。結果的に、社内での電子取引データの保存に頭を悩ますことなくすみ、社長もひと安心されています。
電子納税やネットバンキング導入が実現した会社のケース
退職した経理が高齢であったため、ネットバンキングも電子納税も使われてなく、経理業務の多くは紙ベースでの処理が前提とされていて、ご相談をお受けしました。
結論として、弊社では経理業務を丸ごとをお受けすることになりました。
支払代行業務では”ネットバンキング契約が必須”ですが、社内にITに強い方がいなかったため、弊社からの提案をもとにネットバンキングを契約して立上げ、同時に、会計ソフトとの連携をとり記帳業務のスピードアップを図りました。
さらに、電子納税手続きのサポートも行い、すべて利用可能な体制が実現して社長は承認するだけとなり、喜ばれています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
経理業務が回らないと、なぜか人手の確保に走り勝ちです。その前に一度、「本当に社員が一人必要なほどの業務量なのか、その処理能力のあるような人材は採用できるのか」などを考えてみましょう。
緊急対応で一時的に派遣社員に依存しても、会社の将来を考えた長期対策なら『経理代行サービス』の検討がお勧めです。
経理代行はプロに業務を丸ごと外出しできるので、社内に専門スタッフがいないケースでは根本的な解決が図れる選択肢となります。また、社内人材では「業務フロー見直しやシステム導入が難しい」場合にも、経理代行サービスがお勧めできます。
弊社では、Smart経理代行サービスのスタート時に『各種電子サービスの利用(勤怠システム導入、WEB給与明細、WEB年末調整、ネットバンキングの活用、国税や地方税の電子納税など)を提案のうえ、導入いただくようにしています。
TOKYO経理サポートは、中小企業とそのオーナーのサポートに強みを持つ「英和コンサルティング」「英和税理士法人」と連携して運営しており、高品質な経理業務をリーズナブルな価格で提供しています。
経理業務がうまく回らないとお悩みの際は、当社へのアウトソーシングを選択肢に入れ、まずはお気軽にお問い合わせください。導入に関するご相談やお見積りは無料です。